口の中は電気が流れやすい!?

このように銀紙やスプーンを噛んだときに、ビリビリとした感覚を経験された方は多いと思われます。
スプーンを噛んだ時の写真 金属を噛んだ時の写真

ボルタの電池を発明したメカニズムのイラスト 1800年頃、この事象からヒントを得て、ボルタ(電圧の単位:ボルトはボルタに由来している)という人が初めての電池を発明しました。
詳しく述べますと、金属を口の中に入れると、唾液を電解質溶液として金属のイオン化が起こり、電気が流れる仕組みに気づいたのです。

歯科治療では歯の金属冠やつめものを入れるので、頻繁にこのような事象が起きていることがすぐに想像できます。
医学的には、口の中の電流をガルバニー電流と呼んでいます。

DMAメーターという計測機器でガルバニー電流を測定している所です。
DMAメーター計測機器 DMAメーターという計測機器でガルバニー電流を測定している所



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ヒトの健康にガルバニー電流が与える影響

溶け出した金属イオンの影響

しばしばアレルギーの原因になることは、医学的にも認知されています。

口で溶けた金属イオンが血管を介して遠く離れた手足に達し、アレルギーを起こした例 近頃では、アレルギー以外にも活性酸素を発生させるなどして、様々な病気にかかわっている可能性が示唆されています。

書籍 口の中に潜む恐怖 50%の水銀が混入されている「アマルガム」というつめものが原因で、体調を崩したダニースタインバーグさんの体験をまとめた一般向けの本です。

 

電気が与える影響

人体はおおよそ60兆個の細胞から構成されており、そのすべての細胞の一つ一つが電気を帯びています。
また、心電図や脳電図・筋電図や神経の伝達も電気によって起きています。
人体のシステムは、電気現象で成りたっていて、わたしたちの「いのち」の基本といっても過言ではありません。
携帯電話の電磁波ノイズが医療機器の誤作動を引き起こす話は、今や常識になっていますが、これと同様にガルバニー電流がこの精妙な人体電気システムに影響している可能性は否定できません。
現在、多方面からの研究がなされており、議論の最中ですが、臨床現場では病気の好転などの報告が多数発表されています。



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ここまでの話において

ここまでの話だけみますと、口の中の金属は恐ろしい、使うべきではないという結論になろうかと思います。
しかし、周囲のヒトを見渡して、よく考えてみましょう。
口の中に金属を入れたヒト全員の身体が、おかしくなっているでしょうか?
わたしは、そこに個人差があると考えています。
寒い日に複数のヒトが、同じ服装・場所・時間とういう条件で、戸外に出ていても、風邪をひくヒトとひかないヒトがいるのと同じようなことではないかと考えています。
つまり、口の金属に対する反応はヒトによって異なるのです。
また、同じヒトでも時期、時期による体調の違いによって反応は異なるでしょうし、金属の種類によっても反応は異なってきます。
その違いを調べる検査として、当院ではバイ・ディジタルO-リングテスト を用いています。



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バイ・ディジタルO-リングテストとは…

バイ・ディジタルO-リングテスト(BDORT)とは、筋の緊張(トーヌス)を利用して生体情報を感知する検査手技である。
BDORTはニューヨーク在住の日本人医師大村恵昭博士が1977年頃くらいに考案した方法で、最初の論文が発表されたのが1981年である。
「生体そのものが極めて敏感なセンサーで、毒物を近づけたり、体に合わない薬剤を手に持たせたりすると、筋の緊張は低下し、逆に有効な薬剤では緊張が良好に保たれる」という原理に基づいている。

日本バイ・ディジタルO-リングテスト医学会のホームページ

 

実際のテスト風景

患者さんの左手に調べたいものを置き、指の筋力の強さを調べます。
前述の3症例もバイ・ディジタルO-リングテストを行い、陽性と診断した上で金属の除去を行いました。
テスト風景 金属を片方の手のひらの上にのせている  患者さんの左手に調べたいものを置き、指の筋力の強さを調べます

 

抜歯部分にインプラント治療を希望されていた方

バイ・ディジタルO-リングテストで、インプラントの適合試験をおこなったところ、インプラントの主な素材であるチタンで陽性反応がでて、インプラント治療を断念し、ブリッジ治療に移行。
患者さん自身は、今まで金属アレルギーの既往がなかった(自覚がなかった)ので、その結果に戸惑い、納得のいかない様子でした。 抜歯された個所、インプラント金属、セラミック製のブリッジの写真

バイ・ディジタルO-リングテストの後すぐに、この患者さんは、内科クリニックに勤務されている関係で、個人的に血液検査をして金属アレルギーの有無を調べたそうです。
その結果が陽性で、バイ・ディジタルO-リングテストの結果と一致したことを大変驚いていました。

インプラント治療ができなかったことは、残念でしたが、その代わりにきれいなセラミックス製ブリッジが入って、患者さんも喜んでおられました。

当院では、他にも飲み薬のアレルギーや麻酔薬による事故をなくすために、バイ・ディジタルO-リングテストをフル活用しています。
麻酔薬の写真  飲み薬の写真



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